その男、ヒモにつき 第10話
- swtmmrs
- 2016年5月1日
- 読了時間: 3分
episode10「行違い」


「ふあぁぁ...俺とした事が、がっつり5時間も寝ちまったぜ...」

「(...うわ、ひでぇ顔。リュウジさん事件のせいで軽く10歳位は老けたんじゃねえかこれ...)」

「...どうすっかな、新しい仕事。」

「――レイカちゃんおはよう!」
「あっ、キョウスケ君もう起きてたんだ!おはよう!」

「レイカちゃん、キーボード弾けるの?」
「弾ける、ってほどではないけど...ちょっとだけなら?(笑)」
「なるほどね(笑)」
「あっ、そろそろ仕事行かなきゃ。テーブルの上に朝ご飯置いておいたから、よかったら食べてね。」
「うん、ありがとう!」

「じゃあ行ってきまーす。」
「行ってらっしゃーい!」

「――よし、気を取り直して仕事探すか~!」

「ん~と...なになに。清掃スタッフ急募...時給1400円!早速ヒットじゃねえかこれ!」

「――あ、もしもし。ネットの求人見たんですけど...はい。えっ、本当ですか?...はい!明日ですね、わかりました!ありがとうございます!(なんかデジャブだなこれ)」
・・・


「――や~、ここのカフェいつ来てもガラガラだね~!」
「みんな外に食べに行ってるんじゃねえの?」
「あ~、俺焼肉食いたいな~!」
「焼肉なら夜だろ、やっぱ。」
「え~俺朝から焼肉でも全然OK派なんだけどな~!」
「...一旦焼肉の話から離れろよ。」

「――しっかし昨日のアレは残念だったな。もちっと早く言って欲しかったぜ、レン。」
「...俺は元々ギター入れるの反対してただろーが。」
「てか~、ジョージが本当に残念だったのはあの子の連絡先もらい損ねた事っしょ?(笑)」
「まぁそれもあるな!(笑)結構タイプだったし、惜しかったな~。」
「...真面目にやれよ...」
――1日前。

「ん~...相変わらず暇だなぁ...っていうか、深夜に女の子一人だけシフト入れるって絶対おかしいよねぇ!先輩も辞めちゃったし...あ~暇~!!」
――ピロリロリロン♪
「あっ、いらっしゃいま....ってえぇぇ?!」

「こんばんわ~♪」
「セ●ンとか久々に来たな~。」
「...いない。」

「ひ、ひゃあああああ!!嘘?!嘘みたい!!てゆーか夢みたい!!てか夢なのこれ?!どうしよ~~!!!」
「夢でも嘘でもないよ~♪おねーさん落ち着いて~!」

「...前この時間にいた男の店員...裏でギター弾いてた人。今日は来てないの?」
「えっ?...あぁ!先輩なら辞めちゃいましたよ、2日前に!」
「...マジかよ。」
「あちゃ~、ちょっと遅かったか。」
「ね~、その人の連絡先とか知らないの?」
「えっ、あ、ごめんなさい、私も聞こうと思ってたんだけど忘れてて...」
「そっか~、じゃあしょうがないよね!」
「レン、残念だったな。」
「.....」

「――あっ、あの!私VLEUGELの...特にジョージさんのファンで!!お会いできて本当に嬉しいです!!」
「ヒュー♪って、またジョージか!モテるね~君は~!」
「お~マジで?ありがとう!てか君可愛いね、今度ご飯でもどう?」
「えっ?!ほほほ本当ですか?!」
「うん、とりあえずLI●Eの...」
「...さり気なくナンパしてんじゃねーよ、帰るぞ!」
「も~~レン君お堅いんだから~~!」
「おーい、待てよレン!」
・・・

「――まっ、こうなったら不本意かもしれねぇけどオーディションするしかねえよなぁ。」
「だね~!あっ、じゃあちゃんとゲンドウ座り練習しとかなきゃな~!」
「ってかゲンドウ座りってなんだよ?!」
「――ッおい、だからオーディションはやらねぇって...」
「じゃあどうすんだよ?レンの言ってた兄ちゃんは行方不明だし、もうそれしかねえだろ?」
「いいじゃんレン君、オーディションで意外な原石を発見出来るかもしれないし~!」
「....」

「てかさ!新メンバー決まったらどこで発表する?!TV?あっ、夏フェスでいきなり発表とかでも盛り上がるかも~?!」
「ん~そうだな、俺がギターメインの新曲書くから、それTVで初披露する時にギターもお披露目、とかでもいいんじゃねえか?」
「あ~それもいいかもね!」

「...もう勝手にやってろよ。トイレ行ってくる。」
「てかジョージ新曲もう書いてるの?」
「おう、結構イイとこまでいってるぜ。あとは歌詞乗っけつつ調整って感じだな!」
「さっすが~!」

「(...札が置いてあるな。)...トイレ、まだ清掃中なのか?」
「あぁ、すいません!取り忘れてました!」

「今どかしますね....あっ!!」

「...アンタ...!!」
to be continued...