その男、ヒモにつき 第6話
- swtmmrs
- 2016年4月14日
- 読了時間: 5分
episode6「束の間の休息」

「――それで、『ここの飯は不味くて食えん!家内の味噌汁を早く持ってこんかー!』って聞かなくて!ほんと困っちゃったよ~(笑)」

「はははっ(笑)そりゃひどいな!てか、病院食ってそんなに不味いの?」
「う~ん、不味いというかかなり薄味だから物足りないんじゃないかな~。まぁ分からなくも無いんだけどね(笑)」
「そうなんだー。俺、ガキん時に麻疹で一回入院しただけだからよく覚えて無いんだよね~。」
「流石、THE・健康体だね(笑)」
「それ褒めてる?(笑)」

「...で、キョウスケ君の方はどうなの?」
「ん、何が~?」
「仕事!もうすぐ一ヶ月くらいになるでしょ?」

「あー、うん、まぁぼちぼちってとこかな?(笑)たまに変な客とかいて困る時あるけどねー。」
「変な客?どんなの?」
「色々いるんだけど...あ、一昨日は完全にダースベ●ダーのコスプレした人が来たよ!(笑)無駄に完成度高くてビビった(笑)」
「えー!なにそれ(笑)コンビニ来てどうするつもりだったんだろう...(笑)」
「コーラとスニッ●ーズだけ買って帰ったよ、普通に(笑)」
「謎過ぎるよ!(笑)」
「あ、あとチュー●ッカみたいなオッサンが来たこともあったなー...」
「みたいな、なの?そっちはコスプレじゃなくて?」
「うん、超毛深かった。」
「....それただの毛深いおじさんじゃん!(笑)」

「けど、楽しそうだねー。大変なこともあるだろうけど。」
「ん~まぁそうだね。あと、先週新しい子が入ってねー。ミヤビちゃんっていう女の子なんだけど、これがまたなかなかパンチの効いた子でさ(笑)」
「パンチの効いた...?」
「うん、なんか色々とフリーダムで(笑)...って、俺が言えた立場じゃないか(笑)」
「あはは(笑)なるほどね!」

「――でも、俺今までまともに働いたこと無かったから、なんつーか、いい勉強になってるよ。ほんと、レイカちゃんに感謝しなきゃなーって。」
「えっ、私?」
「うん、レイカちゃんとこうやって一緒にご飯食べたり、遊びに行くにも金がなきゃどうにもならないし!働く気力をくれてありがとうって感じだよ。」
「そっかー...なんにせよ、これはキョウスケ君にとって良い変化だよね。」
「だね!...やべっ、話に夢中で料理のこと完全に忘れてた(笑)」
「そうだった!食べよ食べよ(笑)」
「デザートも待ってるしね!(笑)」
・・・

「――あ、そうそう。レイカちゃん、VLEUGELってロックバンド知ってる?」
「知ってるよー!ってか、今超人気じゃない?」
「そっか!...やっぱ知らないの俺だけだったんだな...(笑)」
「知らなかったんだ!(笑)結構ドラマとか映画の主題歌になったりしてるよ!あと、CMとかも。」
「そうなんだ!俺、ほとんどテレビ見ないからさー。ニュースとかはほぼネットで調べてるんだよねー。なんせ漫喫がマイホーム状態だからさ、今(笑)」
「もー悲しいこと言わないでよー(笑)」
「あはは(笑)でも悪くは無いよ、漫画読み放題ネットし放題でドリンクバー付きだし(笑)しかもクーラーまで付いてるっていうね!」
「確かに快適そうではあるね(笑)」

「――で、そのVLEUGELの...レン?ボーカルの人。その人がうちのセブ●に来てさー。」
「ええっ、本物?(笑)すごいねー!」
「俺は知らなかったから普通にスルーしてたんだけど、ミヤビちゃんが後から気付いたみたいでね。もう大騒ぎ!(笑)握手してもらえばよかったーって。」
「それはそうなるよー!私もその場にいたら多分キャーキャー言ってる(笑)」
「そういうもんなのかな?(笑)でもまぁそうだよね、芸能人だし。」
「そうだよ!...えっ、それでレン君と何か話したの?」
「その時はそのまま帰っちゃったから特に何も....だったんだけど。」
「...だけど?」
「その後、俺が店の裏でギターの練習してたらその人まだ近くにいたみたいでさー。がっつり聴かれちゃったのよ、歌まで(笑)」
「えーっほんと!?(笑)なんて言ってた...?」
「んーいや、ギター歴長いのか、とか。素人なのインディーズなの、みたいな?ちょっと質問されただけだけだよ。」
「へぇー!...えっ、でもそれ地味にすごいような...」
「え、何で?」

「だって、レン君ってなんていうか...良く言えばクールで、悪く言えば無愛想な感じだから。そのレン君から質問されたってことは、キョウスケ君に興味持ったってことかも...?」
「いやいや!こんな自己流の弾き方するド素人なんて、プロからしたら鼻で笑うレベルでしょう!(笑)」
「わかんないよ~?意外とそこが良かったりするのかも...新鮮で。」
「そうかな~...だったらちょっと嬉しいけどね(笑)」
「そうだよ、もっとポジティブに捉えようよ!」
「うーん(笑)」
・・・

「今日はありがとね、キョウスケ君。ご馳走様でした!」
「こちらこそ!また連絡するね!」
「うん!」

――ブロロロロ....

「――ただいまー、ぴよ丸。いい子にしてた?」
「....」
「あはは、見りゃわかるだろ、って顔だね(笑)」
・・・

「――てかさー、今日の司会ミリアンナなんでしょ?俺スゲー楽しみなんだけど!(笑)」

「――...お前、何回も言うけどほんと巨乳に目が無いよな...」
「そりゃまぁ男ですから!(笑)巨乳は男のロマンっしょ!」
「俺はそうでもねぇけどな...」
「ジョージは顔重視だもんなぁ~、面食いってやつ~?」
「別に...言い寄ってきた女がたまたま美人だっただけだろ。」
「何そのさりげないモテ男自慢!?(笑)」

「――ったくうるせえな!集中しろよ!もう始まるんだぞ?!」
「きゃーレン君怒ってるぅ~?こわ~い!!(笑)」

――ガチャッ。
「そろそろ本番はいりまーす。スタンバイお願いします。」
「....了解。」
「さーてと、んじゃ行きますかねぃ。」
「あーなんか肩痛ェな....」
・・・

――ピロロロロロロ♪
「電話だ、誰だろう....お母さんだ。珍しいな。」

「もしもし、お母さん?どうしたの?....えっ、お見合い?!私が...?」
to be continued...