その男、ヒモにつき 第4話
- swtmmrs
- 2016年4月10日
- 読了時間: 3分
episode4「前進」

「――...進む~...べき道は~...♪」

「流石にこの時間は人少ねぇなぁ...っつうかリオレウス強すぎだろこれ、無理ゲーだわ...」

「あー腹減った...また夕方にでも出直すか。とりあえず漫喫行こ...」
・・・

「――ん~、昨日グリチー食べ過ぎたからって流石にハム抜き野菜のみはやり過ぎたなぁ...仕事終わるまで持つかなこれ...」

「あ、メールだ。誰だろう...キョウスケ君だ!」
『(From)キョウスケ君:レイカちゃん、昨日はどうもありがとう!
もう金が底をつきそうで困ってたからほんとに助かったよ!
行きたいファミレス(じゃなくてもOKだけどw)考えといてね!
仕事頑張って~(´▽`)ノシ 』

「ふふっ、律儀だなぁキョウスケ君。」
・・・

「――送信、と。」

「けど仕事頑張って~、なんて俺が言えた義理じゃないよなぁ...路上ライブのおひねり当てにしてたら餓死しそうだよ...なんか良いバイトねえかなぁ。」

「――おっ、時給1000円か!いいね。ここまだ募集してるかな?電話してみよ。」

「――あ、もしもし?ネットの求人見たんですけど...はい...あっ、本当ですか?分かりました!ありがとうございます!」
・・・

「――ぅ~ん、夜勤きっついな~やっぱり。」

「コーヒーでも買って帰ろーっと。」

――ピロリロリロン♪
「いらっしゃいませー!...って、あ!」

「えっ?...あっ!」

「レイカちゃん!一昨日ぶりだね!職場ここから近いのー?」
「うん!今帰りなの。キョウスケ君ここでバイトしてたんだね、ちょくちょく寄ってたけど気付かなかったなー。」
「実は今日からなんだー。昨日求人見て電話したら即採用でさ、入りたてホヤホヤの新人ですよ(笑)」

「あ、そうなんだ!深夜勤務なんだね。」
「うん、...時給良いしね(笑)それに、深夜バイトなら日中は今までどおり路上ライブできるし!」
「なるほどね!でも、それだと寝る時間削られて大変じゃない?大丈夫?」
「大丈夫大丈夫、俺結構タフだから!(笑)2時間も寝られれば充分だよ!」
「あはは、そうだったね。けど無理しないようにね!」
「うん、ありがとう!」

「...てか、レイカちゃん大分お疲れだね。もしかして夜勤明け?」
「うん、夜勤慣れなくてねー...すっごく眠い(笑)」
「そっかそっか!早く帰って寝たほうが良いよ~」
「だね!...じゃあ、ホットコーヒーのLサイズ下さい!」
「はーい、150円になります!...ありがとうございました!レイカちゃん、またね!」
「またね~、頑張って!」

(――キョウスケ君も頑張ってるんだ。私も頑張らなきゃ。)
・・・

――ザー...――

「...」

(――あの子達には確かに足りないものがある。...けど、それは私も同じね。自分では認めたくないのもそう。)

(両親の反対を押し切ってでもここまで来たんだもの、しっかりしなきゃ。もうこれ以上迷惑はかけられない。)

「――あなたもそう思うわよね、レイカ...」
to be continued...