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その男、ヒモにつき 第1話

  • swtmmrs
  • 2015年6月8日
  • 読了時間: 3分

episode1「出会い」

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「すぐ終わりますのでちょーっと我慢して下さいねー。」

「うぅ...」

「――はい、終わりましたー。お疲れ様でした!」

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「――ということなので、帰宅後もしばらくは安静にしていただいて、朝昼晩と一日三回忘れずにお薬のほうを飲んで下さい。」

「分かりました、お世話様でしたー。」

「おだいじにー。」

・・・

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(はぁ疲れた...毎日家と職場の行き来だけっていうのもなんか退屈で辛いなぁ...)

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「ただいまー、って誰もいないけど...」

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(なんか他にあったっけ...まぁ時間も遅いし、今日はこれだけでいっか。)

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「一人で食べるご飯ほど味気のないものってないよなぁ、...なんてね。」

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(――明日は休みだし、ちゃちゃっとお風呂入って今日は早めに寝よう。)

・・・

―――翌日。

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「あー今日休みだからって寝過ぎたー...もう17時じゃん...」

(適当に買い物行って...たまには気晴らしに公園にでも行こうかな、天気はいいし。)

・・・

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『――そうさ俺は~~...君にも~~...♪』

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(わー、ストリートミュージシャンなんてすっごい久しぶりに見たかも...)

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「えーっ、何この曲!すごい好みなんだけど!いいじゃんいいじゃん!」

(確かに聴いてて気持ち良い音と声だなぁ...自分で曲作ってるのかな?)

・・・

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「こんな時間まで聴いててくれたんだね、ありがとう!」

「いえいえ、つい聴き入っちゃって。すごく良かったよ!曲は自分で作ってるの?」

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「うん、なんとなく思い浮かんだメロディーに適当に歌詞乗せてるだけだけどねー。」

「そうなんだー。でもすごいよ、歌詞書くだけならともかく、曲を作るのってそう簡単じゃないだろうし!私は絶対無理だなー。」

「へへ、ありがとう。」

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「俺、今はまだこういう所でしか歌えないけど、いつか絶対にライブハウス貸しきって満員にして思いっ切り歌うのが夢なんだ!まだまだ先は長いけど、いつか絶対に叶うって信じてやってる。」

「ふふふ...夢かぁ、私はもう叶っちゃったからなぁ。」

「そうなの?」

「うん、小さい頃から看護師になるのが夢だったの。で、今看護師として日々奮闘中ですって感じ。」

「なるほどね!白衣の天使、みたいな?」

お注射しちゃうぞ!...みたいな?」

うおぉ、されてぇ!(笑)

「なんか恥ずかしくなってきちゃった...(笑)」

・・・

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「――よし、そろそろ帰らないと...あっそうだ、これ私の番号。またライブやる時とか教えて、見に行くから!」

「おっ、ありがとう!次は武道館でやるからよろしく!(笑)

「楽しみにしておきます!(笑)じゃあまたー。」

「うん。今日はありがとね!」

・・・

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――どうして君は~...♪って歌っちゃった。頭に残る曲だったなぁ。」

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(なんでだろう、なんかいつもより美味しく感じる...)

・・・

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(――キョウスケ君、だっけ。面白かったなぁ。というかあんなに人と話したの久しぶりかも...また会えるといいな。)

to be continued...

 
 
 
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